ワインのテイストと温度の関係

かなり昔々の話になりますが、友人が「赤ワインを室温で飲んだが美味しくない」と言っていました。詳しく話を聞くと、クーラーもない日本家屋(畳の部屋に伝統的な木造の家)の中で真夏に飲んでいたようで、室温は30度前後になっていたと推測されます。

日本は四季が有り、また昔ながらの木と畳と障子で出来た家屋においては極端な話、外気と中の温度はほとど変わらないと思います。

最近では、エアコン付きのコンクリートで出来た家にお住まいの方も多いと思いますが、いわゆる石で出来たヨーロッパの家屋での室温と日本の住まいとでは感覚が異なります。ヨーロッパの一般的に言われる室温という概念は、約15度前後になります。

温度によるワインの変化

ワインの温度

一般的にワインは温度が上昇するとアロマは開き、豊かな味となり、冷えると香りは閉じ、新鮮なアロマになります。質感と言う意味では、冷たいとワインのボディーは引き締まり、温度が上がるとより柔らかみを感じます。

そしてフレーバーという観点においては、温度上昇と共に酸が優しく感じ、甘みをより感じることが出来ます。冷えると甘みが落ち、酸もきつく、場合によっては逆に鮮度を感じるかもしれません。
しかし、いわゆるタンニンの渋みもよりきつく感じると思います。

フルボディー赤ワインの夏場の飲み方

セラーに保管していれば13~15度になっていて問題ないのですが、ワインの温度が上昇していると感じる場合氷のシャンパンバケツに “逆さま” にしてボトルを入れましょう。つまり、栓に近い部分から先に冷やすと言う事です。特にボディーのあるカベルネ等は、少し冷やして飲んだ方が夏場は美味しく味わえます。

もし冷え過ぎたと感じてもワイングラスに注いだあと、グラスの中でワインの温度は徐々に上昇します。ゆっくり飲めば、温度上昇による味の微妙な変化も楽しむ事が出来ます。

ただし、25度近くなっている場合はグラスに注いだ後も温度は落ちず、美味しくない結果となります。では氷をグラスに入れれば?という発想もありますが、これは水っぽくなりお勧めしません。

  • 赤ワインは15~18度前後
  • 白ワインは7~13度前後
  • シャンパンは5~7度

の範囲で飲むと美味しいでしょう。またボージョレーヌーヴォーの様な軽い赤ワインはむしろ若干冷たい12,3度で飲んだ方が鮮度もあり、楽しめると思います。

関連記事

COLUMN

すべて見る