ワインの酸化防止剤について

ワイン上級者からビギナーの方の間で”頭痛の原因” として話題になるワイン酸化防止剤についてです。主に防腐剤として使われているのは亜硫酸塩(SO2)、いわゆる「二酸化硫黄」です。

二酸化硫黄をワインに添加する目的は主に3つあります。
1.果汁段階、熟成過程における酸化防止
2.酵母から発生する野生微生物による汚染防止のための殺菌
3.ポリフェノール抽出促進による果汁(ワイン)の色の安定化

アメリカ、日本、フランスでの表示ルールの違い

ワインの酸化防止剤

さて、この二酸化硫黄の使用と表記のルールは各国で違っています。日本では、果実酒での最大使用量を350mg/1Lと食品衛生法上で決められており、この基準は米国と同じです。

一般的にワイン1Lあたりに、平均すると大体70~90 mg 前後が添加されています。よくフランスワインのラベル表示に「二酸化硫黄を含む」と表示されていないので、「フランスワインは無添加だ!」と考える人がいますが、それは、当然ワインを造る工程で添加すべきものであると解釈されているため、表示する必要がない=表示義務がないだけで、もちろん入っています。

数年で消える二酸化硫黄

ほぼ世界中のワインで二酸化硫黄は入っており、各国において健康被害はないことが長年に渡り証明されています。ただし、一般に食品アレルギーがあるように、この二酸化硫黄にアレルギーを示す方もいると思いますので、そうした方は避けて下さい。

よくスーパーやデパートで「酸化防止剤無添加ワイン」と言うものが販売されておりますがむしろそうしたワインの方が人為的なものを感じます。二酸化硫黄は人為的に添加する以外に、自然の土壌やワイン醸造過程において酵母からも発生します。米国、日本でも含有量が規定を超えるものは表示する義務があるのです。

通常、酸化防止目的で添加された二酸化硫黄は数年も経てばワインの成分と溶存酸素と反応しほぼ0となってしまいます。成分分析表をみても減っていくことが分かります。つまりは、通常のワインからヴィンテージワインまで、いつまでも二酸化硫黄が含まれていると思っていると効力も消え、存在もなくなっているということですね。

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