ワインは自由なスタイルで楽しみましょう!
春~夏へと気温も上がる季節になると冷たいものが美味しく感じられます。
私は赤ワインも基本的に少し冷やして飲んでいます。よく言われる常温とは13℃~18℃を指します。つまり、ボトルを触ると「冷っ」とするあの感触の温度です。また「冷たすぎるな?」と感じても心配いりません。ワインの温度はグラスの中で徐々にあがります。こうして温度の違いによる味、香りの変化もお楽しみください。「赤だから冷やしてはいけない」というルールはないのです。
巷で言われているワインのあるあるルール
同様に「生ガキにはシャブリでないといけない」と言う理由もありません。むしろ、樽香たっぷりタイプのシャブリは、生ガキの素材の味を殺してしまいますので避けた方がいいでしょう。セミヨンでもいいし、ソーヴィニヨン・ブランや辛口リースリングでもいいのです。昔からよく言われる「魚には白、肉には赤ワインを」ですが、これも私はあまりお手本にしておりません。赤身のマグロ、カツオの刺身には赤ワインが合います。これを白ワインで合わせると生臭く感じるでしょう。
ついでに少しこの魚の生臭さを説明しますと、魚の旨み成分でもある「ジメチルアミン(血・肉・内臓に含まれる)」が時間と共に付着している微生物により分解され「トリメチルアミン”(アルカリ性)」と言われる物質に変わるのが原因です。この臭みを消すには、酸性のレモン、酢、塩麹などと合わせれば中和されます。また調理法としては揚げたり、焼いたりするのも手です。物質が揮発性なのでその過程で消えます。海外ではマリネ、カルパッチョやフリット(フライ)などの様に、オリーブオイル、レモンなどを昔から利用しており、これも生活の知恵なのです。しかし、魚の鮮度や処理が良いとこの生臭ささはありません。
また、最近では前述の「ジメチルアミン」だけでなく、魚の脂肪由来の成分「カルボニール化合物」が原因とする説もあります。やはり生魚など時間を置くと臭みが発生しますので、前述の様に抗酸化成分を有する調味料(酒、みりん、味噌、醤油、梅肉など)、レモン、酢などで中和するのがベストです。
さて結論としては、私は自分の好きなスタイルでワインを楽しんでいます。細かい温度、食べ物とのマリアージュなど余り気にせず、逆のことを試してみたりと自由に飲み食いしています。まさしく、あれこれ言わずに 「Leave me alone!(ほっといて!)」なのです(笑)